Q&Aコーナー

Ⅰ、『宗教について』

Q2.「どんな宗教(神)を信じても、人としての正しい道を歩むことはできるのではないでしょうか?」

A2.まことの神様は、ただ一人、真理はただ一つ、人の人としての道もただ一つしかありません。ですから、大切なことは、その唯一のまことの神様を信じなければだめだということです。

 ところが、日本人は昔から、排他性を極度に嫌い、中庸を尊んで来たために、まことの神様はただ一人しかおられない、という言い方に抵抗を感じます。宗教(神)の問題になると、よく次の歌が引き合いに出されます。

 「わけ登るふもとの道は多けれど、同じ高嶺の月を見るかな」

 どんな宗教(神)でも、結局、到達する所は同じだと言うのです。しかし、この歌を宗教(神)の比喩とすることはできません。これは、山登りの歌か、月見の歌かもしれません。あるいは、その裏に隠された人生の一面を歌ったのかもしれません。

 真理というものは、いつでも排他性を持っています。二と二を足せば四であって、四以外の何ものであってもいけないのです。それが真理というものなのです。ですから、真理が一つしかないのは当然のことです。それは、何でも受け入れる包容性のある宗教(神)観も、ちょっと見方を変えれば、やはり同じことです。「キリスト教でなければいけないとか、仏教でなければいけないとかいう考え方はいけない」と言うことは、「どれでもいいというのでなければいけない」という限定において、やはり排他的なのではないでしょうか。いずれにしても、結局、まことの神様はただ一人、真理は一つ、人の歩むべき道も一つなのです。