Q&Aコーナー

Ⅲ、『救いについて』

Q8.「人殺しをした死刑囚がキリストを信じるならば天国へ行け、

殺された人がキリストを信じていなければ地獄へ行くということが、理解できません。」

A8.この質問は、自然の情からして当然の疑問であると思います。ところで、この質問の重点は、殺人者と被害者というところにあるようです。しかし、この疑問を解くかぎは、そこにはないのです。人間が人殺しをしたかどうかを問題にする前に、人間とはどういうものなのかということが大事なことです。聖書は、すべての人間が罪人であって、みな地獄へ行かなければならないと教えています(ローマ人への手紙3章23-24節)。ですから、ここで死刑囚はうまいもうけものをしたのに、被害者は損をしたと考えてはなりません。死刑囚は得をしたかもしれませんが、被害者は損をしたのではないのです。加害者も被害者も、すべて人間は地獄へ行かなければならない罪人なのです。こうしたところから考えていかなければなりません。

 ところで、次に、この死刑囚はどのような契機からか、イエス・キリスト様を信じるようになりました。そして、自分の持っていた罪=殺人という罪だけでなく、それ以前から持っていた罪を悔い改め、イエス様を救い主と信じることによって、罪が赦されたために、天国へ行けるようになったのです(ルカの福音書22章39-43節)

 それにひきかえ、殺されたほうの人はどうだったでしょうか。彼もまた、神様の御前に罪人でしたから、その罪のために地獄へ行かなければなりませんでした。このように、私たちのいのちは、いつ終わるかわからないのですから、いつ死んでもいいように、自分の罪の問題を解決しておく必要があるのです。

*ローマ人への手紙3章23-24節「すべての人は、罪を犯したので、神からの栄誉を受けることができず、ただ、神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いのゆえに、価なしに義と認められるのです。」

*ルカの福音書23書39-43節「十字架にかけられていた犯罪人のひとりはイエスに悪口を言い、『あなたはキリストではないか。自分とわたしを救え。』と言った。ところが、もうひとりのほうが答えて、彼をたしなめて言った。『おまえは神をも恐れないのか。おまえも同じ刑罰を受けているではないか。われわれは、自分のしたことの報いを受けているのだからあたりまえだ。だがこの方は、悪いことは何もしなかったのだ。』そして言った。『イエスさま。あなたの御国の位にお着きになるときには、わたしを思い出してください。』イエスは、彼に言われた。『まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます。』」