Q&Aコーナー

Ⅴ、『罪について』

Q1.「神様が全能なら、アダムが罪を犯さないようにできなかったのですか?」

A1.この質問は、自由意志の問題を含んでいます。このような質問をする人たちの中には、罪を犯さないように造られた人間の方が、罪を犯してしまった人間アダムより優れていると考えているようです。しかし、決してそうではないのです。

 人間が、罪を犯さないように造られるということは、むしろ罪を犯さないようにプログラムされたということで、そこにはプログラムされたコンピューターを埋め込まれたロボットのように、自由意志というものがありません。それは、人間の価値を低く引き下げてしまうばかりでなく、造り主の神様をも低いものにしてしまうことになります。

 罪を犯すこともできる人間、それは、自由意志を持った人間ということです。

 神様はなぜ、自由意志を持った人間をお造りになったのか、そのわけは完全にはわかりませんが、一つには、神様と同様に人格を持つ存在としての人間が自由な意志で、神様ときよい愛の交わりを持つためでした。残念なことに、人間は、与えられた自由意志を乱用し、罪を犯すことになってしまいました。しかし神様は、神様に背いて、罪を犯してしまった人間に、御子イエス・キリスト様の身代わりの死による救いを与えて、限りない愛を示されました。その救いを受けるのも、自由意志に基づく信仰によるのです。

 罪を犯したことを嘆くのは結構ですが、むしろ自由意志を持つ高貴な、価値ある存在として造られたことを感謝し、神様の愛に自発的に応えて行くことこそ、大切なのです。