聖書のメッセージ

3月のメッセージ(Ⅱ)

『人生の行き着く所』

 「まことのいのちを得るために、未来に備えて良い基礎を

  自分自身のために築き上げるように。」

               (テモテへの手紙第一6章19節)

 いよいよ年度末、新しい年度に向けて、入学、進学、就職など、新しい人生のスタートの準備の時です。でも、世界的な不況の中で、先行きが不安だという方も多いことでしょう。

 こんな話があります。ギリシャの哲学者アリストテレスが、アレキサンダー大王の少年時代の家庭教師だった時、王子にこう尋ねました。「あなたはやがて王となられることでしょう。いったいこれからの人生で、何をどのようにするおつもりですか。」アレキサンダーは目を輝かせて、「まずギリシャの国々を統一するんだ」と言いました。「なるほど、それから」「メソポタミア」「それから」「ペルシャ」「それから」「インド」「それから」とたて続けに問い詰められた王子は、「ああ先生、たぶん僕はその頃には疲れてしまって、もう休みたいと思うでしょう。そしてやがて死ぬでしょう」と答えました。人間は、たとえ全世界を手に入れても、あとは疲れて死んでしまいます。人間の前途には、死の運命が待ち受けているのです。けれども問題はそのあとのことです。聖書では、肉体の死後の永遠をどのように過ごすかが語られています。永遠のいのちに至るか。永遠の死に至るかです。そして、永遠のいのちに至る準備をしておくことが言われているのです。でなければ、この地上の人生すら、何の意味も見出せなくなってしまうのです。