聖書のメッセージ

4月のメッセージ(Ⅰ)

『心のダイエット』

 「あなたのみことばは、私の足のともしび、私の道の光です。」

                   (詩篇109編105節)

 春から初夏にかけては、草木の芽が出、花が咲き、成長して行く季節です。草木が成長して行くためには、適量の水と栄養が必要です。私たち人間の体も健全に成長し、健康が維持されて行くためには、正しい食生活が必要です。偏食や過食、不必要な物の摂取は健康を損ね、死をも招くことになります。けれども人間は、単に体だけの存在ではありません。創造主なる神様によって造られた、人格的なたましい、心を持つ存在なのです。聖書には、「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる。」とあります。ですから、人間には、人格的な心の成長と健康維持が必要なのです。

 こんな話があります。アーサー・ショーペンハウアーという有名な哲学者がある日、公園をゆっくりと散策しながら考えごとをしていました。公園の管理人が、みすぼらしい身なりでうつむきながらのろのろと歩く彼を見て、てっきり浮浪者だと思い、こう尋ねました。「お前は誰だ。どこへ行くのか」と。彼は苦悩のあまり顔をゆがめて、「それが分からないのだ。誰か教えてくれないか」と答えました。人はどこから来て、何のために生き、どこへ行くのかという人生の意味を知らずして、真に健全な、生きた人生を送ることはできません。神様によって造られた人間は、神様のことばによって養われ、教えられ、導かれる必要があるのです。それこそが、真に心の健康を維持させるダイエットなのです。